審美面と機能性を兼ね備えた歯列矯正
審美だけでなく機能も
多くの方が美しい口元、美しい笑顔を求めて歯科矯正治療を希望されると思いますが、矯正治療により審美的なことだけではなく、呼吸機能の改善、いびき、睡眠の質、自律神経の改善なども可能です。当クリニックでは、ご希望の患者さんにはこれらを考慮した治療計画を立てて治療を行っています。
なぜ矯正が大切か
矯正治療によって歯並びが美しくなると、歯や歯周病の予防につながります。2021年までの血栓のできる新型コロナの原因の8割は歯周病の方であったと大阪市立大学の井上正康先生は言われています。歯周病の歯肉は感染防御能力が低下しているためそこから体内にウイルスが侵入し小腸でウイルスが増殖し全身にスパイクタンパクが巡り血栓を作ったのです。口腔内を健康に保つことは体全体を健康に保つことに繋がります。
<矯正治療のメリット>
- 正しい歯磨きが行いやすくなり、虫歯や歯周病の予防につながり、口臭の予防にもなる
- 正しい発声や発音ができる
- 食べ物をしっかり噛めるので、消化・吸収がしやすい
- 睡眠時に脳に酸素を供給しやすくなり、睡眠の質が改善する(骨格の改善を行った場合、PSG検査)
- 肩こり、頭痛の解消につながることもある(顎変形の改善で体軸が改善する)
- 口元が美しく、自信をもって話したり笑ったりできる
歯周病予防の大切さ(歯磨きがしやすくなる)
成人の8割の人がかかると言われる歯周病は、予防がとても重要です。歯周病は歯を支えている骨(歯槽骨)が溶け、周囲の炎症とともに歯がぐらぐらして傾き、ひどくなると歯が抜け落ちる疾患です。痛みなどの自覚症状がないまま進行し、歯を失う原因にもなります。
歯周病発生の原因の1つには、歯の表面・歯肉溝につくプラークがあります。矯正によって噛み合わせを改善し、また歯磨きをしやすくすることでプラークを取り除き、歯間・歯を健康に保ち、今ある歯を長持ちさせることができます。また、歯に不適当な方向から力を受けることを防ぎ、適正な方向から力がかかるようになります。
機能
受け口を改善すると発音しやすくなり、前歯で咬みやすくなります。そのため当クリニックでは、ご希望により重度の反対咬合でも骨格の改善による反対咬合の治療を行っています。また顎が小さく上を向いて眠れない、ずっとイビキをかくなど顎の大きさが原因で呼吸機能が低下されている方にも、PSG検査などを行い、積極的に治療を行っています。
審美
歯並びの美しさは、見た目にとても健康的で、人に良い印象を与えます。矯正で歯並びを美しくすると、人前で堂々と話したり笑ったりできるようになります。また、精神的なストレスやコンプレックスが解消され、自信をもって明るく生活できるようになる方が多いようです。
歯列不正と骨格不正の違い
顎の骨の大きさに問題がある骨格不正
「骨格不正」というのは、“患者さんの顎の骨の大きさや形に問題がある”という意味です。受け口になっている患者さんの中には、歯列矯正(歯並びを治す)だけでは顔貌に関して満足な結果が得られない場合があります。その場合は、歯列矯正に加えて、骨格不正を治すために外科手術で改善することが可能になります。
歯列の土台である骨格を治さなければ、見た目に良くなったように見えても、実際に正しく噛んだり発音したりという本来の機能を充分に発揮することができません。そのような場合、当クリニックでは口腔外科や形成外科、耳鼻科、呼吸器内科、理学療法士等と連携し、必要な治療をお勧めしています。
また日本人は骨格性の場合は、上と下の顎骨の大きさ、バランスの不具合により閉塞性睡眠時無呼吸という病気につながっていることもしばしばあります。この病気は、生活習慣病を悪化させて健康に重大な結果を招くことがあります。特に下顎が小さい(後退している)場合、将来、閉塞性睡眠時無呼吸になる可能性が高くなります。
歯並びに問題がある歯列不正
一方「歯列不正」というのは、歯の並びが良くない状態のことで、顎の骨と歯の大きさと歯の大きさのバランス、歯の位置に問題がある場合です。この場合は当クリニックで行う歯列矯正によって歯を動かすことで問題を解決できます。
当院では、この歯列不正と骨格不正の違いを患者様にご説明し、それにより治療方針も異なることをご説明させていただき、最終的な治療方法を選択いただくようにしています。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用
- 治療開始当初は矯正装置による不快感、痛み等を生じることが多いですが数日から1~2週間で慣れる方が多いです。
- 歯の動き方には個人差があるため、想定した治療期間より長くなることもあります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正歯科治療には患者様の努力・協力が必要不可欠です。それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置の装着により歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧なブラッシングや、定期的なメンテナンスが重要になります。また、歯が動くと見えなかったむし歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことで歯根が吸収して短くなることがあります。また、成人の方の場合、歯の移動により歯ぐきが引っ張られ下がったようになることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着し、歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受け、神経が死ぬことがあります。
- 治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯を削ることで歯の形を修正したり、噛み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。ほとんどの場合、問題ありません。
- 装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、被せ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置を外した後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置を外した後、治療により変化した噛み合わせに合わせて被せ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずの萌出などの影響で凸凹が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病等により歯を支えている骨が痩せると噛み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になる場合があります。
- 前歯を後退させた治療後に、ほうれい線が深くなったり、口唇周囲の皺が目立つようになる可能性があります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
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